吹奏楽で一番肺活量がいる楽器はどれ?

フルート

「肺活量はどれだけ必要?」吹奏楽で楽器を演奏するにあたって、この疑問を感じる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、吹奏楽で使われる楽器の中で一番肺活量が必要な楽器を木管編と金管編にわけて紹介します。あなたの楽器選びの参考にしてみてください。

目次

金管楽器編

チューバ

チューバ

金管楽器の中で圧倒的な存在感を放つ「チューバ」。チューバは金管楽器の中で最も大きな楽器として知られ、なんとなく肺活量が必要そうだということは想像がつくのではないでしょうか。

金管楽器の特徴として、楽器の大きさが必要になる肺活量に比例すると言われています。これは、楽器の大きさ、すなわち管の長さが多いほど、音を安定して出すための空気の量と圧力が求められるのです。

チューバは一般的な金管楽器と構造は似ていますが、その管の長さは桁違いに長く、特に音域の低いB♭チューバでは、最大約9.6メートルにもなることがあります。これは吹奏楽で最も肺活量が必要とされる楽器と言っても過言ではありません。

チューバのその豊かで重厚な音の裏には、演奏者の強靭な肺活量と、その技術があるのです。

木管楽器編

組み立てたフルート

フルート

フルートはその音色と見た目から優雅で上品という印象を受けますが、実際の演奏にはかなりの体力と肺活量が必要です。

フルートの特徴の一つは、吹き込んだ息のうち、実際に楽器の音となるのは約1/4から2/3程度に過ぎないという点です。

他の楽器、特に木管楽器のサックスやクラリネットでは、リードが振動して音を作るため、息の使い方が効率的です。リードの抵抗が息を逃がしにくくするため、吹き込んだ息が大部分が音に変換されます。

しかし、フルートはリッププレートに息を直接吹き込むスタイルであり、多くの息が音にならずに逃げてしまうのです。

このような特性から、フルートは一曲を通して一定量の息を楽器に入れ続ける必要があり、それがかなり肺活量を必要とします。

見た目と美しい音色とは裏腹に、フルートは体力と肺活量がいる楽器です。

肺活量の鍛え方

ブラスバンド金管楽器を奏でる女学生達5

楽器の演奏において、肺活量が多い方がプラスとなることがあるでしょう。そのため、肺活量を増やす目的で日常的なトレーニングを取り入れるのはおすすめです。では、具体的に肺活量を向上させるための練習方法とはどのようなものがあるのでしょうか。

腹式呼吸の練習

腹式呼吸は、お腹の動きと息の出し入れを連動させて行う呼吸法です。

具体的な方法は、

  • 座るか横に寝っ転がった姿勢で行います。
  • 肺の中の空気を完全に吐き出し、その後、鼻からゆっくりと空気を吸い込みます。
  • この際、腹部が膨らむように意識します。
  • そして、口から息をゆっくりと吐き出しながら腹部を凹ませます。
  • 完全に吐ききったら、再び鼻からゆっくりと空気を吸い込みます。

初めは呼吸とお腹の動きがうまく連動しないかもしれませんが、繰り返し練習することで徐々にマスターできます。

腹式呼吸は、腹筋を使った呼吸法なので安定した一定の圧力のある息を出すことが可能となります。

腹式呼吸の習得は、楽器の演奏や声のコントロールに役立つでしょう。

ペットボトルトレーニング

「ペットボトルトレーニング」とは、呼吸筋の鍛練や肺活量向上を目指す簡単な呼吸法のトレーニングです。

具体的には

  • まず、500mlの空のペットボトルを用意します。
  • 肺に残っている空気をしっかりと吐き出した後、ペットボトルを口に咥えます。
  • 思い切り息を吸い込み、ペットボトルを凹ませます。
  • ペットボトルが凹んだ状態で、息を吐き出し、ペットボトルを元の形に戻します。

このトレーニングを繰り返すことで、呼吸筋が鍛えられ、肺活量の向上が期待できます。

継続することで、楽器の演奏時の息のコントロールや持続力にも良い影響をもたらすでしょう。

ティッシュを壁や窓に吹き付ける

自宅で手軽に行える肺活量向上のトレーニングです。方法はシンプルで、ティッシュ1枚を使って実践することができます。

  • まず、ティッシュを1枚取り、手で持って壁や窓に軽く当てます。
  • その後、手を離し、息だけでティッシュを壁や窓に貼り付けるように吹き続けます。

この際、ティッシュが落ちないようにできるだけ長く息を吹きかけることが、このトレーニングの重要なポイントです。

日常の中で気軽に取り組むことができるため、定期的に続けることで呼吸の質や深さが向上するかもしれません。

ぜひ挑戦して、どれだけ長くティッシュを壁や窓に貼りつけられるか試してみてください。

定期的な運動

ジョギング、スイミング、サイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させるのに役立ちます。

運動をしている間も大きく息を吸って吐くことを忘れずに行うことが大切です。

楽器の演奏で肺活量は必要?

サックスを吹く学生

吹奏楽の演奏において、肺活量は一般的には重要な要素とされていますが、肺活量だけが演奏の品質を決定するわけではありません。

肺活量は確かに重要ですが、楽器の演奏においては、どれだけ効率よく息を使うか、すなわちブレスコントロールがより重要とされています。

効率的に息を使うことで、より安定し、質の高い音を持続的に出すことができたり、長時間の演奏でも疲れにくくなります。

音の高さや音量をキープするためには、安定して息を出すことが不可欠。息を無駄に使わず、必要なだけの息を使って音を鳴らすことが大切です。

まとめ

この記事では、吹奏楽の楽器の中で一番肺活量が必要とされる楽器を紹介しました。また、肺活量を増やすトレーニングも紹介したので、息を効率的に使えるようになるために、日々の練習プランに加えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

フェリス女学院大学音楽学部を卒業。社会人になった現在も音楽活動を続けています。

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