全国の中学・高校、一般バンドがしのぎを削る吹奏楽コンクール。その中でも毎年発表される「課題曲」は、多くの吹奏楽ファンや演奏者に親しまれ、時代を超えて愛される名曲も数多く誕生しています。
本記事では、これまでの吹奏楽コンクール課題曲の中から、特に人気の高い名曲をピックアップしてご紹介。演奏する楽しさや聴く感動が詰まった名作を、ぜひ振り返ってみてください。
吹奏楽コンクール課題曲の名曲・人気曲10選

吹奏楽コンクールでは毎年、多くの吹奏楽ファンの心に残る名曲や人気曲が課題曲として選ばれてきました。
これまでの課題曲の中から「名曲」「人気曲」と称される10作品を厳選してご紹介します。
天国の島
佐藤博昭の「天国の島」は、第59回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅱです。TV番組「ザ!鉄腕!DASH!」のBGMとしても使われたため、聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
北海道北西部の周囲12kmの小さな「天売島」の美しい風景を題材にしており、壮大で美しい旋律が描かれています。Picc. Ob. Cl. Bsn. Trp. Hr. Claves Snare DrumなどSoloパートが多岐に渡り、変化に富んだ曲構造も魅力です。
ディスコ・キッド
吹奏楽の名作「ディスコ・キッド」。東海林修による作曲で、第25回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Cとして選ばれました。この楽曲は吹奏楽界でも屈指の人気を誇り、吹奏楽を経験した人なら一度は耳にしたことがあるでしょう。
全体を通してドラムが印象的で、アドリブソロも多く含まれており、演奏する側にとっては名曲であると同時に難曲でもあります。当時のコンクールでは、ディスコ・キッドを演奏して金賞を受賞した団体がひとつもなかったそうです。
とはいえ、演奏すれば必ず会場が盛り上がるこの楽曲は、演奏会やイベントにもぴったり。挑戦する価値のある一曲として、ぜひレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
稲穂の波
福島弘和作曲の「稲穂の波」は、第46回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅱに選出され、美しいメロディと豊かな表現力から、長年にわたり吹奏楽ファンに愛される名曲となっています。
郷愁を漂わせる雰囲気で始まり、中間部では力強くリズミカルに展開。最後は再び郷愁を感じさせる穏やかな締めくくりとなります。緊張感のある導入、歯切れのよいアタック、強弱やテンポの揺れなど、バンドの実力が試される要素が随所に盛り込まれています。
さくらのうた
福田洋介によって作曲された「さくらのうた」は、第60回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅰに選ばれ、第22回朝日作曲賞も受賞しました。
日本の象徴である「桜」をテーマに、ゆったりとしたテンポで和の雰囲気を表現。親しみやすいメロディとわかりやすいハーモニーによって、桜の情景が美しく描かれています。
現在でも演奏会でよく取り上げられる人気曲です。さまざまな編成に対応しており、10名程度の小編成でも演奏が可能です。
五月の風
真島俊夫によって作曲された「五月の風」は、第45回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅲとして非常に高い人気を博しました。
この楽曲は、タイトルの通り、5月の爽やかな風を6/8拍子のコンサートマーチで表現しています。風景を思わせるようなメロディは、春の訪れを感じさせてくれます。王道のマーチとして、現在でも多くの吹奏楽団で演奏され続けている名曲です。
風紋
第35回全日本吹奏楽コンクール課題曲Aの「風紋」は、保科洋氏による名曲です。和の雰囲気を持つこの作品は、ゆったりとした部分とテンポの速い部分の2部構成で展開されます。
30年以上前の課題曲でありながら、その魅力はまったく色褪せておらず、現在でも演奏会やコンクールの自由曲として頻繁に取り上げられています。ぜひ、この名曲の魅力を体感してみてください。
高度な技術への指標
第22回全日本吹奏楽コンクール課題曲Bとして登場した「高度な技術への指標」は、河辺公一作曲による、その名の通り高度な演奏技術を求められる楽曲です。
吹奏楽課題曲として初めてドラムセットを編成に取り入れたことで、ポップス課題曲の先駆けとなりました。スウィングやサンバなど、次々に変化する曲調が特徴。
冒頭から終曲までエネルギーに満ちた一曲で、演奏会を大いに盛り上げてくれる名曲と言えるでしょう。
エンターテイメントマーチ
第61回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳの「エンターテインメントマーチ」は、その名の通り、軽やかで明るい雰囲気の楽しいマーチです。
ミュージカルを思わせる特異な雰囲気が漂い、演奏者も聴く人もワクワクさせる魅力が詰まっています。
演奏会やイベントで取り上げられることが多く、その場を一層盛り上げてくれること間違いなしです。
マーチ「ブルースカイ」
第55回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳとして高木登古により作曲されたマーチ「ブルースカイ」は、その名の通り、澄み渡る青空をイメージさせる爽やかな楽曲です。
かっこいいモチーフとメロディーが魅力で、流れるような美しいハーモニーが心地よいリズムと絶妙に組み合わさっています。吹奏楽の魅力を存分に感じさせてくれる楽曲です。
春風の通り道
西山知宏氏によって作曲されたマーチ「春風の通り道」は第65回全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳでした。その名前が示す通り、明るく爽やかな楽曲です。
オーソドックスなマーチでありながら、ハーモニーが非常に緻密に書かれているのが特徴で、春風のようなキラキラとした音楽が感じられます。
美しいハーモニーと親しみやすいメロディーなため、オープニングでの演奏にもおすすめ。春の訪れを音楽で感じたいなら、この「春風の通り道」をぜひ楽しんでみてください。
まとめ
吹奏楽コンクールの課題曲には、演奏者の技術や表現力を引き出すだけでなく、聴く人の心にも深く響く名曲や人気曲が数多くあります。時代を超えて愛される作品は、吹奏楽の魅力を改めて感じさせてくれる存在です。ぜひこの記事を参考に、自分たちの演奏にも取り入れて、課題曲の奥深い世界を楽しんでみてください。
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