疲れた時に聞きたい邦楽を14曲、「心が疲れた日にそっと寄り添う曲」と「もう一度元気が出る曲」に分けて紹介します。情報は2026年9月時点のものです。
選ぶときは、アーティスト本人や番組の側が「どんな曲なのか」を話している曲を中心にしました。紹介も、歌詞ではなく、本人のコメント・タイアップ・チャートの記録から書いています。
この記事の2023年版は12曲でした。今回、2024〜2026年に出た曲を9曲入れ、前の版から5曲を残しています。

疲れた時に聞く曲一覧【2026年】
心が疲れた日にそっと寄り添う曲
| 曲 / アーティスト | 発表 | こんな日に |
|---|---|---|
| 二十九、三十 / クリープハイプ | 2014年 | 「頑張れ」がしんどい日 |
| grace / 藤井風 | 2022年 | 自分を責めてしまう日 |
| ねっこ / King Gnu | 2024年 | 人に言えない疲れがある日 |
| ダーリン / Mrs. GREEN APPLE | 2025年 | 誰とも話したくない日 |
| 風と町 / Mrs. GREEN APPLE | 2026年 | 頑張っても報われなかった日 |
| はいよろこんで / こっちのけんと | 2024年 | 頑張りすぎて限界が近い日 |
| 晴る / ヨルシカ | 2024年 | 少しだけ前を向けそうな日 |
もう一度元気が出る曲
| 曲 / アーティスト | 発表 | こんな日に |
|---|---|---|
| 毎日 / 米津玄師 | 2024年 | 元気が出ないまま働く日 |
| breakfast / Mrs. GREEN APPLE | 2025年 | 疲れが残ったままの朝 |
| BOW AND ARROW / 米津玄師 | 2025年 | 応援してくれる人を思い出したい日 |
| ROSE / HANA | 2025年 | 自分を好きになれない日 |
| 足音 〜Be Strong / Mr.Children | 2014年 | 一歩ずつでも進みたい日 |
| シグナル / WANIMA | 2018年 | 誰かの本気に背中を押されたい日 |
| できっこないを やらなくちゃ / サンボマスター | 2010年 | もうひと踏ん張りしたい日 |
疲れた時は、今の気分に近い曲から聴く
音楽療法に「同質の原理」という考え方があります。1940年代にアメリカの精神科医アルトシューラーが唱えたとされるもので、今の気分に近い曲から聴き始めて、少しずつなりたい気分の曲へ移していく、というものです。
落ち込んでいるときに、いきなり明るい曲を聴くと、かえって曲だけが浮いて聞こえることがあります。この記事で、前半に「寄り添う曲」、後半に「元気が出る曲」を並べているのは、この順番を借りたからです。
ただ、これは療法の現場の経験から生まれた目安で、特定の曲に効き目があると証明されたものではありません。研究の結果もまちまちです。考え込みやすい人が、自分で選んだ悲しい曲を聴くと、気分がさらに沈んだという研究もあります。前半の曲で止まらずに、少し落ち着いたら後半の曲へ進んでみてください。

心が疲れた時に聴く曲|そっと寄り添う7曲
前半は、無理に元気を出さなくていい曲です。疲れている今の気持ちを、そのまま置いておける曲を集めました。
二十九、三十 / クリープハイプ
2014年7月のシングル「エロ/二十九、三十」に入っている曲です。雑誌『R25』の企画「THINK 30」と組んで作られた、30歳前後の世代に向けた曲でした。
尾崎世界観はインタビューで、同世代のことを歌ったのは初めてで、熱い言葉で頑張れと言われても届かない、という前提で書いたと話しています。応援の曲なのに強く背中を押してこないので、「頑張れ」と言われるのがしんどい日にも聴けます。
grace / 藤井風
2022年10月に配信された曲で、ドコモの「KAZE FILMS docomo future project」のために書き下ろされました。プロジェクトが掲げた「すべてのひとに、才能がある」というメッセージに刺激されて作った、と発表されています。
うまくいかない日が続いて自分を責めてしまうときに、その出発点を思い出させてくれる曲です。
ねっこ / King Gnu
2024年10月に配信された、TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』の主題歌です。Billboard JAPAN の2025年 年間 Hot 100 では72位でした。
常田大希は、1950年代から受け継がれてきたもの、失われたものに思いを寄せながら、今を生きるための「ささやかな歌」になればいいと話しています。タイトルには、人に語らない過去や経験の上に今を生きていること、表からは見えないけれどいちばん大事な部分、という意味を重ねたそうです。誰にも言っていない疲れを抱えたまま、なんとか一日を終えた夜に合います。
ダーリン / Mrs. GREEN APPLE
2025年1月に配信された曲です。NHK『Mrs. GREEN APPLE 18祭』(2024年12月放送)のために書き下ろされ、18歳世代から「本音」をテーマに集めたメッセージや動画をもとに作られました。番組では1000人の18歳世代と一緒に歌っています。Billboard JAPAN の2025年 年間 Hot 100 で2位、第67回日本レコード大賞では優秀作品賞に選ばれています。
大森元貴は、苦しさや寂しさも、うれしさも、相手がいるから感じるもので、裏を返せば一人ではないということだ、と話しています。誰とも話したくないくらい疲れた日に、それでも一人ではないと思わせてくれる曲です。
風と町 / Mrs. GREEN APPLE
2026年4月に配信された、NHK連続テレビ小説『風、薫る』の主題歌です。Mrs. GREEN APPLE が朝ドラの主題歌を担当するのは、これが初めてでした。Billboard JAPAN Hot 100 では週間2位(2026年5月4日付)まで上がっています。
ドラマの制作統括は、どんなに頑張っても報われない現実や、越えられない壁にぶつかったときにも、主人公をそっと支える主題歌にしたかったと依頼の理由を話しています。大森元貴も、登場するすべての人への「人生讃歌」として作り、見る人にもそっと寄り添う曲になってほしいと話しています。頑張ったのに結果が出なかった日に聴きたい曲です。
はいよろこんで / こっちのけんと
2024年5月に配信された曲です。タイアップはなく、サビの振り付けが TikTok で広がってヒットしました。Billboard JAPAN の年間 Hot 100 では2024年に30位、2025年も36位に入っています。
踊れる明るい曲ですが、本人はインタビューで、うつ病を経験したあと、周りから次々に何かを求められることへの違和感から生まれた曲だと話しています。インタビュー記事は、ダンスしやすい曲調の中に切実なSOSを隠した曲、と紹介していました。MVは『サザエさん』のエンディングをまねた作りで、日曜の夕方に休みの終わりを感じて気分が沈む、いわゆる「サザエさん症候群」がこの曲に合うと考えたそうです。
頑張りすぎて限界が近いときに、助けを求めてもいいと気づかせてくれる曲です。
晴る / ヨルシカ
2024年1月に配信された、アニメ『葬送のフリーレン』第2クールのオープニング曲です。Billboard JAPAN の2024年 年間 Hot 100 で22位でした。
n-buna は、この曲を、まだ晴れていない状態から晴れを願う曲だと説明しています。少しずつ晴れていく空を、コインで銀色を削っていくスクラッチカードに重ねて見ていたそうです。公式の紹介も、これまでの夜のイメージとはちがう、晴れた空のような清々しい曲としていました。
まだ晴れていないところから始まる曲なので、前半の最後に置きました。ここから後半の曲につなげてみてください。
疲れた時に元気が出る曲|もう一度動き出せる7曲
後半は、少し気持ちが落ち着いてから聴きたい曲です。無理に明るくする曲より、しんどさを知ったうえで背中を押してくれる曲を選びました。
毎日 / 米津玄師
2024年5月に配信された、日本コカ・コーラ「ジョージア」のCMソングです。前半で紹介した「はいよろこんで」と同じ日に配信されています。
米津玄師によると、仕事に追われて曲を書いては捨てる日々の中で、自分なりに頑張っているのに何をやっているんだろう、と感じたのが出発点だそうです。同じことの繰り返しでも、これが自分の人生だと開き直るしかない、半分やけくその「空元気」の曲だと説明しています。編曲は Yaffle との共同で、コードは基本的に1つのループ。勢いで押し切る作りです。
元気が出ないまま、それでも仕事に行く日に聴きたい曲です。
breakfast / Mrs. GREEN APPLE
2025年6月に配信された、フジテレビ『サン!シャイン』のテーマソングです。Billboard JAPAN の2025年 年間 Hot 100 で27位でした。
大森元貴は、いろいろな思いが交錯する毎日の中で、今日もやってみようと思えるように、朝を少しでも彩れるように作ったと話しています。発表のときの紹介も、朝から絶好調の人にも、少しお疲れ気味の人にも届けたい曲としていました。ちなみに本人は、朝ごはんを食べない派だそうです。
疲れが抜けないまま迎えた朝に合う曲です。
BOW AND ARROW / 米津玄師
2025年1月に配信された、アニメ『メダリスト』のオープニング曲です。Billboard JAPAN の2025年 年間 Hot 100 で23位でした。
米津玄師は原作の漫画のファンで、アニメ化を知って、自分から曲を作らせてほしいと申し出たそうです。作品の中の「送り出す人と送り出される人」の関係を、弓と矢のイメージに重ねたと話しています。羽生結弦さんがショートプログラムを滑ったバージョンのMVも公開されています。
一人で頑張っている気がする日に、送り出してくれる人の存在を思い出させてくれる曲です。
ROSE / HANA
2025年4月に配信された、HANA のメジャーデビュー曲です。HANA は、ちゃんみなと BMSG のオーディション「No No Girls」から生まれたグループです。Billboard JAPAN の2025年 年間 Hot 100 で6位に入り、ダンス&ボーカルグループとして最速の14週で、ストリーミング1億回を超えました。
どんな見た目でも、どんな環境でも力強く生き抜きたいという思いを込めた曲で、いろいろな感情が交錯しても、最後には自分のすべてを愛していく意志を描いた、と紹介されています。プロデューサーのちゃんみなは、どんな困難があっても強く、美しく咲き続けてほしいと願っているそうです。
疲れて自分のことを好きになれない日に聴きたい曲です。
足音 〜Be Strong / Mr.Children
2014年11月に発売された、フジテレビ月9ドラマ『信長協奏曲』の主題歌です。
桜井和寿は、ドラマの背中を押したかったし、自分たちにも新しい風を吹かせたかった、と話しています。何曲作っても納得できず、何度も手直ししてようやくできた曲だそうです。強さと優しさを併せ持つ曲をドラマからもらったような気持ちで、また次の一歩を踏み出せる、とも話していました。
大きく変わらなくていいから、一歩ずつ進みたいときの曲です。
シグナル / WANIMA
2018年1月のアルバム『Everybody!!』に入っている曲で、ロッテ「爽」のCMにも使われました。もとは NHK『WANIMA 18祭』(2017年)で作られた曲です。
企画に参加したい18歳世代の応募動画を WANIMA が見て、その思いを受けて作ったそうです。前半で紹介した Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」と同じ「18祭」から生まれた曲で、どちらも、ほかの誰かの本気を受け取って作られています。
誰かが頑張っている姿を見て、自分ももう少しやってみようと思えたときに聴きたい曲です。
できっこないを やらなくちゃ / サンボマスター
2010年2月に発売された曲で、日産セレナのCMのために書き下ろされた、頑張る人への応援歌です。その後もドラマやJR東日本の広告に使われ、2024年にはロッテ「クーリッシュ」のCMにも使われました。2023年には、発売から13年たって、YouTube のチャートで初めてTOP10に入っています。
この記事でいちばん勢いのある曲なので、最後に置きました。もうひと踏ん張りしたい日に聴いてみてください。
疲れた時に聞く曲をまとめて聴くなら音楽サブスク
疲れているときは、曲を1曲ずつ探すのも面倒なものです。前半の7曲と後半の7曲を、それぞれプレイリストにしておくと、その日の気分で選べます。この記事の曲は、曲名で検索すれば音楽サブスクで見つかります。
サービスごとの違いは、音楽サブスクおすすめ3選を徹底比較にまとめています。
疲れた時に聞く曲【2026年】のまとめ
心が疲れた日は、無理に元気な曲を聴かなくてかまいません。クリープハイプ「二十九、三十」や Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」のような寄り添う曲から入って、少し落ち着いたら米津玄師「毎日」や Mr.Children「足音 〜Be Strong」へ。ヨルシカ「晴る」は、そのあいだをつなぐ1曲です。
新しい曲が出てきたら、この記事を更新します。
疲れやつらさが長く続くときは、ひとりで抱えこまずに、厚生労働省の「まもろうよ こころ」(電話やSNSの相談窓口の一覧)や、働く人向けの「こころの耳」も頼ってください。
参考にした情報
- Billboard JAPAN 2025年 年間 JAPAN Hot 100
- Billboard JAPAN 2024年 年間 JAPAN Hot 100
- Billboard JAPAN Hot 100(2026年5月4日付)
- ぴあ関西版 クリープハイプ 尾崎世界観インタビュー(2014年)
- 音楽ナタリー 藤井風「grace」リリース
- 音楽ナタリー King Gnu「ねっこ」ドラマ主題歌
- MANTANWEB King Gnu「ねっこ」のタイトルについて
- 音楽ナタリー Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」
- オリコンニュース 第67回日本レコード大賞(2025年12月30日)
- タワーレコード Mrs. GREEN APPLE 朝ドラ『風、薫る』主題歌
- Billboard JAPAN こっちのけんと インタビュー
- ユニバーサル ミュージック ヨルシカ「晴る」
- 音楽ナタリー 米津玄師「毎日」特集
- THE FIRST TIMES Mrs. GREEN APPLE「breakfast」
- REISSUE RECORDS 米津玄師「BOW AND ARROW」
- ダ・ヴィンチWeb 米津玄師インタビュー
- 音楽ナタリー HANA「ROSE」
- Billboard JAPAN HANA「ROSE」ストリーミング1億回
- Billboard JAPAN Mr.Children「足音 〜Be Strong」
- rockin’on.com WANIMA「シグナル」
- オリコンニュース サンボマスター YouTubeチャート
- 星野悦子「音楽的感情の基礎研究と音楽療法」『音楽知覚認知研究』(2006)
- Starcke, Mayr, von Georgi(2021)International Journal of Environmental Research and Public Health
- Garrido & Schubert(2015)Music Perception
